法人の不動産売却でかかる税金は?個人との違いをチェック

法人として、不動産を売りたい方もいるでしょう。その場合、法人税や法人住民税などの税金を払わなければいけません。個人での売却とは税金の仕組みが違う点に、注意が必要です。

法人特有の税金のかかり方を知っておけば、適切に売却の準備を進められるでしょう。 今回は不動産処分を考えている事業者のために、売却時の税金を解説します。個人の違いを踏まえながら、確かめてみてください。

1. 法人の不動産売却でかかる税金は?

法人の不動産売却では、法人税や法人住民税、法人事業税などさまざまな税金がかかります。以上を知っておけば、売却時の正当な経費計算につながるでしょう。ここでは、法人の不動産売却について、対象となる税金を紹介します。以上について、各項目の詳細をまとめました。

1-1. 法人税

法人税は、事業活動の所得を対象とした国税です。これを法人所得税と呼ぶこともあります。
法人税の計算式は、課税所得×税率です。課税所得は、売上や売却などの利益である益金から、原材料費や人件費などの支出である損金を差し引いて算出します。税率は、以下のとおりです。

法人の種類 税率
資本金1億円以下など 年800万円以下部分は15%(適用除外事業者は19%)
年800万円超の部分は23.2%
上記以外の普通法人 23.2%

※事業開始が2019年4月1日以後の場合です。
※適用除外事業者とは、その事業年度開始日から前3年以内に終わった各事業年度を対象として、年平均所得額が15億円超の法人を指します。

このように、法人税は資本金によってかかり方が違います。不動産を売るときは、資本金まで確かめながら、税金を想定しておきましょう。

1-2. 法人住民税

法人住民税は、企業を対象とした地方税の一種です。法人事業所のある地方自治体に納めます。法人住民税は、都道府県に納める都道府県民税と市町村に納める市町村民税の2種類です。
計算式は、法人税割+均等割になります。法人税割は、法人税額×所定税率で算出可能です。ただし、所定税率の決まり方は自治体によって違います。詳しくは、各ホームページの法人住民税関連の情報をチェックしてみてください。
一方で、均等割は所得を問わず定額であり、資本金や従業員数で納税額が決まります。法人税割と均等割の仕組みを学びながら、法人住民税を計算しておきましょう。

1-3. 法人事業税

法人事業税は、ビジネスに対する地方税です。課税所得(課税標準額)×法人事業税率で計算します。
法人事業税率は、資本金や出資金の合計額、所得規模などで決まる形です。こちらも自治体によって、税率の決まり方が異なります。詳しくは各自治体のホームページにおける、法人事業税関連の情報を確かめてみてください。不動産売却に備え、法人事業税の想定も済ませておきましょう。

1-4. 地方法人税

地方法人税とは、法人のビジネスに対する国税です。2014年の税制改正を受け、新しくできました。
地方法人税は、法人税額×税率(一律10.3%)で計算します。所得や資本金などにとらわれない税率なので、計算しやすいでしょう。
以上から、現代社会では不動産売却時に地方法人税の計算も要します。とくに事業年数が長い法人は、忘れないように注意してください。

1-5. 消費税

法人が不動産を売るときは、建物に消費税がかかります。建物のように付加価値がついたものは、消費税対象です。一方で、土地は単純な権利移転にとどまるため、消費税がつきません。消費税の計算は、売却にかかった消費税-消費税を要した仕入および経費の通算です。不動産取引では、買主が消費税を払うこともあります。この場合、売主は税務署にそのぶんを納めなければいけません。
ほかの商品と似た形で、不動産取引でも消費税がかかります。その金額は、売主が税務署に納めなければいけません。

2. 不動産売却の税金に関する法人と個人の違い

法人と個人では、不動産売却時の税金のかかり方が異なります。法人では、法人税や法人住民税、法人事業税といった特有の税金がかかるのです。
また、すべての売上を合算したものが税金の対象になります。つまり不動産だけでなく、事業全体の利益が課税対象になりえるのです。

一方で個人の場合は、不動産で得た利益だけに税金がかかる仕組みとなっています。また、他所得とは別での計算です。つまり税金計算をするとき、会社の仕事で得た給料などは、不動産関連の所得とは別になります。法人の不動産売却における税金のルールは、個人よりも複雑な形になっているので、税金計算のときは注意してください。

3. まとめ

法人が不動産を売った場合、個人とは違った形で税金がかかります。法人税や法人所得税などの仕組みを覚え、納税に役立ててみてください。不動産売却前に税金のかかり方を知っておけば、正しく経費を計算できるので、売却益の想定にもつながります。

「株式会社ダルマ」では、沖縄県内での不動産売買を扱っています。沖縄都市モノレール線「ゆいレール」の駅からの距離や各名所へのアクセスなど、沖縄県特有の立地を踏まえた取引のコンサルティングも展開中です。不動産を売りたい事業者様は、ぜひご相談ください。