相続した不動産の売却は早ければ早いほうが良い!

親から不動産を相続したがとくに活用する予定はなく、親から受け継いだ土地として所有し続けておくべきなのか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

活用予定がなければ、すぐに売却したほうが良いのでしょうか。 親から不動産を相続することは、一生に一度あるかないかのことです。今回は、不動産を相続したときに知っておきたいポイントについて、手続きや特例なども解説します。

1. 相続した不動産は使う予定なければすぐに売却すべき

土地や建物などの不動産は、所有するだけで固定資産税がかかります。さらに戸建て住居の場合、維持していくためには、外壁や屋根の塗装工事などの費用も必要です。マンションの場合は、修繕積立費や管理費なども払っていかなければなりません。これら維持費を負担しなければならないことを考えると、活用する予定がなければ売却するのが望ましいといえます。
また相続トラブルを避けるためにも、相続した不動産の売却は望ましいでしょう。相続人が複数名の場合は、共有名義で土地を相続することになります。共有名義で相続した場合、その土地にかかる固定資産税などの維持費を誰が負担するのか、決めなければなりません。
相続人の共有名義による所有が長期にわたり続くと、その後の相続が重なれば共有する人が増え、将来的には面識のない親戚と土地を共有することになる可能性もあります。なによりも不動産は、現金と違い分割ができないため、遺産分割の際にもめる原因になりがちです。
逆に遺産分割をスムーズに行う手段として、相続不動産の売却が有効な手段となります。土地を現金化し、等価分割することによって、相続トラブルを避けることが可能です。こうした理由から、活用する予定がなければ、相続した不動産は売却していくことが望ましいといえるでしょう。

2. 相続した不動産の売却手続きについて

次に、相続した不動産を売却するまでのポイントを解説します。

2-1. 相続分割協議から相続登記までを済ませること

相続が発生した場合、故人すなわち被相続人の残した遺産を相続人にどう分け合うか、決めなければなりません。被相続人が遺言書を残していた場合は、その遺言書の内容に従って遺産を分けます。遺言書がない場合は、相続人同士の話し合いである遺産分割協議を通じて、遺産の分割方法を決定するのです。
協議が終わり分割内容も決まりましたら、遺産分割協議書を作成しましょう。この書類は、すべての相続人による署名捺印が必要です。遺産分割協議書が完成したら、相続する不動産の名義変更を行います。この手続きによって、故人の所有名義から相続人の名義に変更するのです。
相続した不動産を売却するためには、相続登記までの手続きが完了していなければなりません。これでようやく、相続不動産を売却できる準備ができました。

2-2. 相続不動産の売却方法は2つ

相続登記まで完了しましたら、次はいよいよ相続不動産の売却です。売却方法は、仲介と買取の2つの方法があります。
仲介は不動産会社を通じて家を売ってもらう方法で、買主は広く一般の方になります。買取とは、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。仲介の場合、高値で売却できる可能性がある一方、買手が現れずなかなか売却できないことも生じます。買取は仲介で売るよりも売値が下がるものの、査定した金額で即座に買い取ってもらえることがメリットです。

2-3. 相続不動産の売却時に所得税がかかることもある

不動産の売却によって、得られる所得を不動産譲渡所得といいます。相続不動産の売却でも譲渡所得が生じた場合、その所得は税課税対象となるため確定申告しなければなりません。不動産の譲渡所得は、次のように計算します。

・不動産譲渡所得=不動産売却による収入金額-(取得費+譲渡費用)

譲渡所得がゼロの場合、確定申告は不要です。また相続不動産の売却時にのみ、一定の条件を満たせば、不動産譲渡所得にかかる所得税を軽減できる特例があります。次に、その特例について解説しますので、確認してみましょう。

3. 相続した不動産の売却時にのみ適用できる節税特例

相続した不動産の売却時に、一定の要件を満たせば節税できる特例が2つあります。相続税の取得費加算特例と、空き家の3,000万特別控除です。

3-1. 相続税の取得費加算特例

正式には相続財産を譲渡した場合、取得費の特例といいます。相続人が、相続税と相続不動産の売却時の譲渡所得にかかる所得税を払わなければいけない場合に、負担を軽減してくれる特例です。具体的には、以下の適用要件が挙げられます。

· 相続または遺贈により財産を取得した人であること
· 相続税が課税された人であること
· 相続の申告から3年以内に相続不動産を売却していること
·
この適用要件に合致する場合、相続税額の一定金額を不動産の取得費用に加算できます。所得費が増えれば譲渡所得は下がるため、その結果として譲渡所得税を軽減することが可能です。

3-2. 空き家の3,000万特別控除

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときに、適用される特例です。被相続人が住んでいた家屋や土地を売却する場合、譲渡所得の金額から最高3,000万まで控除できます。この特例が適用されると、不動産の売却で利益が出たとしても、実質3,000万はなかったことにできるのです。そのため、不動産譲渡所得税を大幅に軽減できる特例といえます。
特例の対象となる被相続人の居住用財産とは、相続の開始直前において被相続人が住んでいた家屋で、かつ次の3つの要件にすべて当てはまらなければいけません。

· 昭和56年5月31日以前の建築であること
· 区分所有建物の登記がされている建物でないこと
· 相続の開始直前において被相続人以外に住んでいた人がいなかったこと

また不動産を売却する期間も、以下の制限があります。

· 令和5年12月31日までに売ること
· 相続開始日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売ること

4. まとめ

これまで見てきたとおり、不動産を相続しても活用の予定がないのであれば、できる限り早く売却するのが良いでしょう。相続不動産の売却を検討するならば、その土地のことをよく知っている不動産会社に相談したいものです。

沖縄で不動産会社を営む「株式会社ダルマ」では、地域密着型の会社ならではの営業力でお客様のご満足を数多くいただいています。沖縄で不動産の売却をご検討の際には、ぜひとも一度ご相談ください。