不動産を売却する場合の消費税を課税、非課税ごとに詳しく解説

物を買うときに、買った人は消費税を支払います。

もう一方の見方では、物を売った人は消費税をもらうことになります。不動産を売るときも物を売っているので、原則として消費税を含めた金額で買う側に請求をしますが、不動産の売却のすべてに対して消費税を含めての請求をするわけではありません。

この記事では、不動産を売るときに消費税が必要になるのはどのようなときかを説明します。

1. 消費税が課税される不動産の売却とは

まず、不動産の売買に限らず、消費税が課税されるのは一定の条件を満たした事業者です。その条件とは企業や個人事業主で、前々年の課税売上高が1,000万円超の場合となっています。このように、消費税が課税される者が課税事業者です。
消費税と聞くと、買う側が支払うので買う側が納付しているように感じますが、実際は売る側に国へ税金を納付する義務があります。買う側が負担した消費税は、一度売る側が預かり、国に納付するという流れです。課税事業者の不動産を売る取引は、一般の消費税の課税対象とされる取引になります。

1-1. 課税事業者が建物を売却するときは課税

住宅用や商業用にかかわらず、建物を売る課税事業者は消費税分を請求することになるので、買う側は消費税を支払う必要があります。現在の消費税は、標準税率の10%と、軽減税率の8%の複数税率です。
軽減税率が適用されるのは、飲食料品や定期購読の新聞などに限られます。建物を売るときは標準税率の10%となり、建物の本体価格とは別です。本体価格に10%をかけた金額と、本体価格の合計額が売買金額です。
一戸建てを主に扱う不動産会社は課税事業者であることが多いので、一戸建てを購入する場合は、消費税込みの金額を支払うことになるでしょう。売る側が課税事業者であれば、買う側が個人、企業のいずれであっても、本体価格と消費税分の10%の合計額を支払うことになります。

1-2. 売る際に不動産会社や司法書士などに支払う報酬は消費税がかかる

売却のときに、仲介などを行った不動産会社に支払われる報酬は、消費税の対象となっています。代表的な報酬は仲介手数料です。
また、不動産の売買の際には、土地の調査や測量や登記も必要になります。土地の調査や測量を、土地家屋調査士や測量士に依頼した場合、その報酬にも消費税がかかるのです。登記を司法書士に依頼した場合は、司法書士報酬にも消費税がかかります。ただし、登記の際に支払う登録免許税などの税金は不課税ですので、消費税はいりません。

2. 消費税が課税されない不動産の売却について

一方で、消費税がかからない場合もあります。その1つが土地を売る場合です。さらに、課税事業者になっていない企業や個人事業主、サラリーマンなどの個人が建物を売る場合も該当します。

2-1. 土地の売却は消費税が非課税

住宅用、商業用にかかわらず、土地を売るのは消費税が非課税と定められています。つまり、土地を売った際には消費税がかかりません。これは、土地が消費という行為になじまないためです。
たとえば、ある土地の上に建物が建てられていて、現在使われていたとしても、その建物が取り壊され更地になれば再びその土地を使えます。このように、土地はずっと使い続けられて、消費されることがありません。そのため、課税することになじまないとして非課税と扱うものとする、と消費税法に定められています。土地を貸し付ける場合も、1か月以上であれば非課税です。
また、土地を借りる権利のことを借地権といいますが、この借地権も土地と同様に扱われるため、借地権を売る行為も非課税になっています。ただし注意点として、土地や借地権を売った際に、不動産会社に仲介手数料などの報酬を支払った場合は、たとえ土地の売却であってもその報酬には消費税が必要です。

2-2. 建物を売っても課税されない場合

課税事業者ではない企業や個人事業主、またはサラリーマンなどが建物を売る場合、売る側は消費税を請求できないので、買う側は消費税を支払う必要がありません。たとえば、会社員の人が自宅を売る場合が該当します。不動産を売る際に消費税を考える必要があるのは、売る側が課税事業者である企業や、事業を営む個人が建物を売るなどの場合だけです。

3. まとめ

不動産の売却金額は多額になることも多く、その金額の10%で計算される消費税額も多額になってしまうことがあります。消費税が課税対象となる不動産の売買は、課税事業者が建物を売るときです。 会社員など消費税を納付する義務のない人は、建物を売ったとしても消費税はかからないので考慮する必要はありません。 一方で、土地や借地権を売ることは、非課税となる旨が消費税法に定められています。これは、売る側が課税事業者である企業や個人事業主だとしても非課税です。つまり、土地や借地権を売る場合は、売却価格がそのまま収入になります。 課税対象になる建物を売る場合も、非課税と定められている土地などを売る場合も、売る際に不動産会社や司法書士などの専門家に支払う手数料や報酬には、消費税がかかります。あくまでも不動産取引の報酬であり、その取引でどのような不動産を売買したかは関係ないからです。一般的に消費税込みの請求書が発行されるので、その金額を支払えば問題ありません。

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